醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
 慌てたリオネルが駆け寄る。

 セドリックは、言葉は、それ以上不要だとでも言うように片手を上げて制した。
 リオネルは目の前の皇子が、かつて知っていた“ブレイク”だということに気が付かない。

 エリシアはセドリックは敢えて何時も同じ黒衣を纏っていたのだと理解した。

 豪奢な礼服を着て、艶やかに手入れされた銀髪、華やかささえ感じる皇子。
 地味に見えた補佐官ブレイクとは人に与える印象が真逆だ。


「ならば、寝ている間に、王女の首を落とすか? 刑は、既に決まっている。明日には、元王女だ」
 セドリックは、冷酷なほど事務的な声で淡々と言い放った。

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