醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。

19.帝国の皇子

夜明け前。
 白み始める空が、大法廷の高窓からかすかに差し込んでいた。
 罪人への判決は、すでに下されている。

 黒魔術を行使したルナ・ノイダンを筆頭に、ノイダン王家の人間は例外なく、極刑。
 情状酌量も、王家としての特権も、何一つ残されなかった。

 玉座に連なる血は、すべて断ち切られる。
 王国の秘密は、リオネルの手によって一つ残らず暴かれた。

 エリシアが“消えた後”、一年後には把握されていたものだった。
(知っていたのね)

 エリシアの胸に、冷たい失望が広がる。

 自分が姿を消してから一年。
 その間、王家はルナの罪を知りながら、何事もなかったかのように彼女を放置していた。

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