醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
「この国は先に締結された平和条約・第十五条に基づき、本日をもって、レイディン帝国の管轄下に入る」
 裁定官の声が、冷たく響く。

 その言葉と同時に、王家の人間たちは一人、また一人と連行されていった。

 鎖の音。
 泣き叫ぶ声と沈黙のまま俯く者。

 それらを背に、即座に“緊急貴族会議”が行われる。
 集められたのは、かつての貴族たち。
 もっとも、それは「元ノイダン王国」における爵位に過ぎない。

 爵位は剥奪され財産は半分以上没収される。
 残るのは、命と、レイディン帝国の下で生きる権利だけ。

 リオネルは、終始、黙ったまま俯いていた。
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