醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
「王女が禁断の黒魔術を聖女に使ったことを、公表してください。それで私の気持ちがおさまるかは、分かりませんが」
「な、何言ってるの!? そんなこと、できるわけないでしょう!」
 ルナの声が裏返る。

 ルナ王女の手は微かに震え、赤黒い皮膚の下で脈打つ血管が浮き上がる。

「でしたら、王女様はそのままの姿で生きてください。心の醜さが表に現れたその姿のままで」
 冷めた声で、言い切ったエリシアの頬に鈍い音と共に激痛が走った。

 ――パシン。

 パトリスは慌てて手を引っ込める。

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