醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
 嫉妬、憎悪、そして幼いがゆえの歪んだ執着。

「私には、どうすることもできませんわ。その姿は黒魔術の代償ではありませんか?」
 エリシアが静かに告げると、ルナの瞳が一瞬、揺らぎ露骨に目を逸らした。

 皮膚の腫れと歪みに隠れても、目の奥の痛みと絶望が光を反射している。

「エリシア、大人気ないことを言うな。幼い子にヤキモチを妬かせた君も悪いんだぞ」
 パトリスの声に眉がひそむ。
 その瞬間、胸の奥で嫌な笑いが込み上げた。

(私ばかりが、悪いの?)

「では、禁じられた黒魔術を使った王女は?」
「⋯⋯」

 エリシアは押し黙るパトリスとルナに言葉を選ぶように、一語一語を重く落とした。

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