醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
「エリシア、君の意思など関係ない! 今すぐルナを治せ! 僕との結婚も既に決定事項だ!」
 エリシアの手首の骨が軋む。
 痛みが、鋭く走る。

「い、痛い⋯⋯やめて」
 その瞬間。
 抑え込んでいた何かが、堰を切ったように溢れ出した。

 眩い聖光が、玉座の間を満たす。
 壁画も、柱も、人の影も、すべてが白に呑み込まれる。

 光が収まった時、赤黒かったルナの肌は、嘘のように、元の美しい姿へ戻っていた。
 エリシアは自分の聖女の力のコントロールの仕方を知らなかった。

「はあ⋯⋯」
 満足そうな吐息と共にルナが笑みを浮かべる。

「やっと、元に戻れたわ」
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