醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
「ねえ、ブレイク。見張りのつもり? 私は逃げたりしないわよ。病気で苦しんでいる人を救うのは聖女の役割だもの」
 黒衣を纏ったブレイクは、薄く微笑む。

「ええ。そうですね。私は見張りですよ、役割に忠実な聖女様」
 低く甘い声。

 耳に心地よく響くが、どこか危うさを孕んでいる。

 改めて見ると、彼の顔立ちは非常に整っていた。

 茶色の髪は地味だが、陶器のように白い肌に濁りのない瞳。
 年齢は一歳上だと聞いているが、実際はそれより若く見える。

「ブレイク。貴方はレイディン帝国では、何をしていたの?」
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