醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
 エリシアの喉が焼けるように痛み、息が詰まる。
 視界が揺れ、思わず目を閉じる。

 膝が崩れ落ちるとブレイクがエリシアの顔を覗き込んでいた。

 距離が近い。吐息が触れそうなほど。
「聖女の力が枯渇しています。それに、聖女様は既に感染症に罹患しておられます」

 エリシアはそれもそうだとブレイクの言葉に納得した。

 散々、感染者と接してきて自分だけ罹患しないなどあり得ない。
 聖女の力で発病を抑えつけているのだろうと予想していたが、いよいよ抑えきれなくなったようだ。

「ブレイク、貴方は⋯⋯コフッ⋯⋯平気なの?」

「私は問題ありません」

< 67 / 234 >

この作品をシェア

pagetop