醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
「見捨てられた土地を救ってくれて、ありがとうと⋯⋯民から伝言を預かりました」
 エリシアは、くすりと笑った。

「ふふっ、嘘が下手過ぎよ。貴方らしくもないわ、ブレイク⋯⋯貴方は何でも出来そうなのに不器用なところもあるのね」

 誰も感謝などしていない。

 それくらい、エリシア自身が一番よく分かっている。
 治療する度に、「王家は自分たちを見殺しにする気だったのか」「助けが来るのが遅過ぎる」と怒鳴られた。

 胸の奥が、じわりと痛む。

 ブレイクの言葉が同情だと気づき、エリシアは自嘲した。
(こんな怪しい男にまで憐れまれるなんて)

 その時だった。

「コフッ、コフッ、ゲフッ」
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