醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
 一方のエリシアは、魔獣の森で培った十年の知恵を生かし自然の中で生き抜く。

 しかし、長時間の治癒と休息のなさにエリシアの身体は限界に達していた。
 水を汲もうとした拍子に転倒し、立ち上がるだけで息が上がる。

「足手まといだな」
 セドリックの低い声が砂浜に響く。
 しかし次の瞬間、彼は躊躇なく彼女を抱き上げた。

 その距離の近さ、胸板の熱、濡れた銀髪が頬に触れる感覚。

「下ろして」
「黙れ」
 寝床に下ろされる瞬間、エリシアは無意識に彼の袖を掴んだ。

 セドリックの動きがわずかに止まる。
「運んでくれてありがとう、セドリック。実はもう立ってるのがやっとだったの」
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