醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
 エリシアの問い掛けにセドリックは肩をすくめ、焚き火に小枝を放り込む。

「悪用も、利用もするよ」
 炎が一段、大きく揺れた。

「聖女の力なんて人を回復させるだけよ。治癒の力をどうやって悪用するの?」
「皇宮で聖女を管理すれば、神殿の力を弱められる。寄付という形で聖女の力を与えれば金が集まる」
 セドリックは淡々とした口調で語り出した。

 まるで、軍事作戦の説明をするかのように。

 エリシアは、焚き火から目を離し彼を見た。
 確かめるような視線を送ると、セドリックは軽く頷いた。

「本当に悪い事に使うのね。ありがとう。正直に教えてくれて」
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