醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
「いや、まだ“悪用”の部分までは話してないんだが。聖女様、ビビって聞く気なくなってないか?」
 セドリックは片眉を上げ、半笑いになる。

 エリシアは戸惑っていた。
 セドリックが笑顔であまりにも自然にエリシアにとっては“悪い事”を語ることに、どう反応すべきか分からなかっただけだ。

「そんなことないわ。でも、悪いことを私がしたら聖女の力って減ったりしないの?」
 エリシアが心配そうに問いかけると、炎の向こうでセドリックの表情が一瞬だけ硬くなった。

< 96 / 234 >

この作品をシェア

pagetop