別れたはずのママとパパは、愛しの三つ子ちゃんに振り回されています
 やはりどうしても私の言うことを聞かない時がある。その時は決まって健吾君がしっかり叱ってくれていた。
「でもあの賑やかな声が聞こえなくなったら、絶対に寂しいぞ」
「もちろんでしょうよ。三つ子ちゃんたちは私たちの家族なんだから」
 伯母夫婦の言葉に胸が熱くなる。
 出産から今日まで大変なことのほうが多かった。でもいつも伯母夫婦と健吾君が力になってくれて、どれだけ救われてきたか。
 でも一番は、あの子たちの存在だ。三つ子たちのおかげで私はすごく幸せな毎日を過ごすことができている。
「疲れたでしょ? 那奈ちゃんが買ってきてくれたお菓子でお茶にしましょうか」
「いいね。母さん、珈琲を淹れようか」
「あら、お願いします」
 伯母夫婦の仲睦まじいやりとりに頬を緩めながら、リビングへ向かう。すると仲良く手を洗った三つ子たちが、美味しそうにお菓子を食べていた。
「ママー! おいしーよー」
「ぼく、おかわりしてもいい?」
「いろはも!」
 お菓子を食べていたはずなのに、いつの間にか喧嘩を始めた三人に「仲良くできないならあげないよ」と言うと、素直な三人は声を揃えて「なかよし!」と言うものだから、みんなで笑ってしまった。
 今でも正直、稔さんのことを思い出しては胸が苦しくなる。でも私がこうして新しい人生を歩んでいるように、彼にも彼の生活があるはず。
 だからもう会わないほうがいいんだ。
 私は私でこれからもこの幸せな日々を大切に過ごしていこうと誓った。

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