あと30日で、他人に戻るふたり
二人で床も拭いて、元通りになったところで彼が立ち上がる。

「とりあえず風呂入ってくる」

「はい、早く行ってください」

彼の方を見もしないで返事をしてしまった。


時計を見ると、たぶん一時間くらい寝ていたらしい。
うたた寝どころの居眠りじゃなかった。

急いでキッチンで夕飯の支度を始める。


パスタを茹でようとしていたら、シャワーで済ませたのかリビングに彼が戻ってきた。

スウェット姿になっている。


「今日はなに?」

「パスタ茹でるだけです。レトルトのソースかけます。寝ちゃったから時間も遅いので」

「そういう便利なの、意外とあるんだね」

「トマトソースパスタです」

「お腹空いてきた…」

お腹をさすりながらフライパンを覗き込んでくる。

パン以外もちゃんと食べたがってるのを見たら、ちょっと安心した。

「髪乾かしてきてください」

「うん」


再び洗面所へ姿を消した、そのあとすぐ。
ローテーブルにあったスマホから、着信音が鳴り出した。

私のスマホはキッチンにある。

……ということは。


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