あと30日で、他人に戻るふたり
……違う。

そんなはずない。

こんな短い時間で、
しかもこんな状況で。

惹かれる理由なんて、どこにもないのに。


それでも。

視線を逸らせなかった。

────私、大地さんのこと、好きなんだ。


無防備な顔で寝ている姿を見て、やっと自分の気持ちを認めた。


なんでなのか、分からないまま。
それでも、そうとしか思えなかった。


ソファをゆっくり降りて、起こさないようにリビングを出る。

シャワーだけ浴びるために洗面所へ行くと、鏡に自分の顔が映った。


どうかしている、本当に。

どうして、彼がいいんだろう。不思議でたまらない。


ただひとつ分かるのは、昨日、八代さんと一緒にいてもどこかうわの空だった理由。

それだけで、十分だった。
もうあとは自分の気持ちとどう向き合っていくかだ。


鏡の自分から目を逸らし、浴室へ入った。



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