あと30日で、他人に戻るふたり
定時で上がれた私は、帰宅ラッシュに飲まれながらも夕焼けに染まる最寄り駅に降り立つ。
日が長くなったとはいえ、こんな明るい時間に帰れたことに嬉しくなる。
スーパーに寄って、とりあえず野菜をメインに買い込む。
週末に買いに行っていないので、冷蔵庫には食材がほとんどない。
なにを作るか決めずにカゴに入れていたものの、大きなポップが目を引いた。
『もうすぐ夏!カレーはいかが?』
“夏”というワードに、そうかと納得させられる。
どうりで毎日暑いわけだ。
日焼け止めとか、サンダルとか、昨日散々夏らしいワードが出ていたのに、実感がなかった。
「カレー…、好きかな」
そうつぶやいて、カレールーをカゴに入れた。
両手に買い物袋をぶら下げて、ちょっと重いな、とか考えながらマンションのエレベーターに乗る。
今週の分をまとめ買いしようと思った結果、買いすぎてしまった。
一人分ならこうはならない。二人分って欲張ったから。
────また、もしかしたら仕事の呼び出しで彼は夜に出かけてしまうかもしれないのに。
でももしかしたら一緒にご飯を食べられるかも、と期待をしている自分もいる。
どうして傷ついても、傷つくのが分かっていても、人って誰かを好きになるんだろう。
自分の情緒が分からなくなる。
八階に着いたエレベーターを降りて、見慣れた通路を進んで玄関へたどり着いて気がつく。
なんとなく、人の気配。
……まさか、もう帰ってる?
ドアに手をかけたら、あっさり開いた。
鍵がかかっていない。
玄関口に、いつもの乱雑に脱がれたであろう黒いスニーカーがある。
私はパンプスを脱ぎながら、ついでに彼の靴も揃えておいた。
日が長くなったとはいえ、こんな明るい時間に帰れたことに嬉しくなる。
スーパーに寄って、とりあえず野菜をメインに買い込む。
週末に買いに行っていないので、冷蔵庫には食材がほとんどない。
なにを作るか決めずにカゴに入れていたものの、大きなポップが目を引いた。
『もうすぐ夏!カレーはいかが?』
“夏”というワードに、そうかと納得させられる。
どうりで毎日暑いわけだ。
日焼け止めとか、サンダルとか、昨日散々夏らしいワードが出ていたのに、実感がなかった。
「カレー…、好きかな」
そうつぶやいて、カレールーをカゴに入れた。
両手に買い物袋をぶら下げて、ちょっと重いな、とか考えながらマンションのエレベーターに乗る。
今週の分をまとめ買いしようと思った結果、買いすぎてしまった。
一人分ならこうはならない。二人分って欲張ったから。
────また、もしかしたら仕事の呼び出しで彼は夜に出かけてしまうかもしれないのに。
でももしかしたら一緒にご飯を食べられるかも、と期待をしている自分もいる。
どうして傷ついても、傷つくのが分かっていても、人って誰かを好きになるんだろう。
自分の情緒が分からなくなる。
八階に着いたエレベーターを降りて、見慣れた通路を進んで玄関へたどり着いて気がつく。
なんとなく、人の気配。
……まさか、もう帰ってる?
ドアに手をかけたら、あっさり開いた。
鍵がかかっていない。
玄関口に、いつもの乱雑に脱がれたであろう黒いスニーカーがある。
私はパンプスを脱ぎながら、ついでに彼の靴も揃えておいた。