あと30日で、他人に戻るふたり
午後の打ち合わせでは、夏休みに合わせた館内イベントの企画確認が進められていた。

大型モニターには、施設のフロアマップとイベントブース配置案が映し出されている。


「ワークショップエリア、思ったより広く取れそうですね」

「飲食ブースこの位置だと匂い流れません?」

「キッチンカー呼ぶなら、外導線も考えないと」


各部署が次々に意見を出していく中で、私はぼんやりと図面を見つめていた。

夏休み────。

たぶん、子ども連れの家族が多い。
自由研究目的で来る子もいるかもしれないし、買い物ついでに立ち寄る人もいる。

だったら。
ただイベントを置くだけじゃなくて、“長く居やすい場所”にした方がいいんじゃないか。


「穂村さん?」

急に名前を呼ばれて、はっと顔を上げる。

「あっ、すみません」

「なにか気になるところある?」

野崎課長に促されて、私はもう一度モニターを見た。
そして自然と口を開く。


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