あと30日で、他人に戻るふたり
『彼氏ができました』


『は?』
『詳細はよ』
『例の同居人?』


『紆余曲折とくになし』
『このまま一緒に住むことになった』


『紆余曲折なくてどうやってそうなるのw』
『絶対あったよね?』


『本当にない』


『先に好きってどっちが言ったの』
『もうキスした?』
『顔見せろ』
『写真送れ』
『イケメンだったら許さん』


『写真むり』
『今日新しいベッド買った』
『木曜届く』


『親友へ』
『ひとりだけ先に幸せになるのは許さん』
『写真はよ』


『断られた』
『無断転載されそうって言われた』


『会わせなさい』
『今すぐ日程決めるよ』


『拒否するって言ってる』


『美月は渡さないって伝えて』


『めんどくさいって言ってる』


『ねえほんとにその男で大丈夫!?』



そこで、優奈とのメッセージのやり取りは途絶えた。

私の眠気が限界で。
ベッドで力尽きてしまった。


ピロンピロン鳴り続けるスマホの通知音が切られる気配がして、私のすぐ隣に彼が寝転がるのが分かった。


「────おやすみ」


やさしい声だった。



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