あと30日で、他人に戻るふたり
テレビをつけると、明るい音が部屋に流れる。
特に会話はない。
でも、ときどき小さく笑いが重なる。
それだけで、少しだけ距離が近くなった気がした。
そのまま、簡単に夕食を用意する。
キッチンに立つ間も、テレビの音とキーボードの音が重なっていた。
出来上がったものをローテーブルの端に置く。
「いただきます」
食べながらも画面の中の笑いにつられて、少しだけ口元が緩む。
ご飯も終えて、お風呂も済ませてリビングに戻った。
冷蔵庫からお茶を出して飲みながら、ふと、キッチンにまだパンの袋がそのまま置かれていた。
朝と同じまま。
……ゴミ、捨ててないな。
明日の朝も残っていたら、もう一度言おう。
今度は、ちゃんと。
ひと息ついて、ソファに座った。
隣では、変わらずパソコンに向かったままの背中がある。
さっきよりも同じ空間にいる感じがした。
クッションに体を預け直すと、落ち着く気持ちの度合いがずっと色濃くなった。
彼はすぐ隣にいるのに、まだ少し遠い。
手を伸ばせば触れてしまいそうな距離なのに、絶対に触れることはない。
そのわずかな隙間が、意識に残る。
────いつまで仕事するんだろ。
辞める気配のない姿に、立ち上がって声をかけた。
特に会話はない。
でも、ときどき小さく笑いが重なる。
それだけで、少しだけ距離が近くなった気がした。
そのまま、簡単に夕食を用意する。
キッチンに立つ間も、テレビの音とキーボードの音が重なっていた。
出来上がったものをローテーブルの端に置く。
「いただきます」
食べながらも画面の中の笑いにつられて、少しだけ口元が緩む。
ご飯も終えて、お風呂も済ませてリビングに戻った。
冷蔵庫からお茶を出して飲みながら、ふと、キッチンにまだパンの袋がそのまま置かれていた。
朝と同じまま。
……ゴミ、捨ててないな。
明日の朝も残っていたら、もう一度言おう。
今度は、ちゃんと。
ひと息ついて、ソファに座った。
隣では、変わらずパソコンに向かったままの背中がある。
さっきよりも同じ空間にいる感じがした。
クッションに体を預け直すと、落ち着く気持ちの度合いがずっと色濃くなった。
彼はすぐ隣にいるのに、まだ少し遠い。
手を伸ばせば触れてしまいそうな距離なのに、絶対に触れることはない。
そのわずかな隙間が、意識に残る。
────いつまで仕事するんだろ。
辞める気配のない姿に、立ち上がって声をかけた。