ピエロ・ガール
友達に聞かれた麗奈が答えると、友達はあからさまに顔を顰めた。保健室には、このクラスの一員である生徒がいる。

「麗奈、大変だね。委員長のせいで保健室のお荷物の世話させられて」

「そんなこと言わないで。お世話って、プリントを渡すだけだよ」

麗奈は笑みを浮かべ、教室を出た。教室から離れた瞬間に麗奈の足は早くなる。とにかく保健室にただ早く行きたかった。



麗奈は保健室のドアを開ける。先生の姿はない。すると、ベッドを仕切っているカーテンの一つが開いた。カーテンの向こうから、髪を金色に染めて派手なメイクをした女子生徒が姿を見せた。

「やっと来た〜。委員長様おそ〜い!」

「ごめんって。ほら、これプリント」

麗奈はプリントを手渡す。その顔に笑みはない。どこか疲れ切った表情だ。それを見て女子生徒ーーー空瑞希(そらみずき)はニイッと笑った。

「いい顔するようになったじゃ〜ん」

瑞希が笑いながら麗奈の頰を指でつつく。麗奈はため息を吐き、「やめて」とその指を払った。
< 4 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop