ピエロ・ガール
朝ご飯を食べ、身支度を整えた後、麗奈はいつも通り家を出る。高校までは家から歩いて十五分ほどで着く。道を歩いていると、麗奈はクラスメートたちに話しかけられた。

「朝比奈さん、おはよう!昨日のテストまた満点だったのすごいね!」

「数学の時間で、東大の過去問解けてたよね。本当にすごい!」

すごいすごいと周りから褒められ、麗奈は自身の手首を強く握り締めた。ただその顔には笑顔がある。

「みんな褒めすぎだよ。たまたまだから」

麗奈は笑う。貼り付けた仮面のような表情で。周りを笑顔と実力で騙していく。

『あんたってさ、ピエロみたい。本当の気持ちを隠して、優等生演じて、馬鹿みたい』

いつか言われた言葉を思い出し、麗奈の胸がチクリと痛くなった。



授業を終え、ホームルームを終え、放課後がやってくる。教室にいるクラスメートたちは図書室に行ったり、教科書やノートを開いたり、友達と話したりしている。

「麗奈。これから塾?」

「ううん。保健室」
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