ピエロ・ガール
「辛くないの?」

「全然。保健室の先生優しいし、超快適〜!委員長様もいるしね〜」

瑞希がフッと笑う。仮面を被っている麗奈なら、「教室も楽しいよ」と適当な言葉を並べて説得していただろう。しかし今は、黙って座っている。

(瑞希がいいならそれでいいか……)

担任から、「空を教室に来るように説得してくれないか」と頼まれたこともある。しかし、生徒の説得は教師の役割だ。教師の仕事を生徒に押し付けるな、と麗奈は心の中で舌を出す。

「委員長様って、明日とか空いてる?」

瑞希が問題を解く手を止め、麗奈を見つめる。麗奈はスマホで予定をチェックした。

「明日は特に何もない」

「普段、何もない日はどうしてるの?」

「図書室で勉強してる」

「じゃあさ、明日はちょっと遊ぼうよ。映画とかどう?夕飯はマックとかで食べてさ!」

瑞希が目を輝かせる。瑞希曰く、明日から始まる映画は瑞希が前々から観たいと思っていたものらしく、入場者には劇場でしか貰えない特典があるらしいのだ。
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