遼くんは泣き顔がお好き。
「海行かねえ?」
「はい、ではあんまり羽目を外さないよーに…
くれぐれも体調には気をつけて、楽しい夏休みを過ごすように!」
担任の言葉に教室の空気がパッと明るいもの変わった。
そう、今日はついに終業式。
明日から夏休みだ。
「やべぇ、俺なんか今ならなんでもできそうな気がする。
明日までに夏休みの課題終わらせられそうな気がする。」
「タミそれ去年も言ってたな、読書感想文以外最終日まで残ってたけど」
「言うなっ!!!今年の俺は去年までの俺とは違うんだよ…!」
「…なんで読書感想文だけ終わらせてるわけ?普通逆じゃない?読書感想文こそ最後まで残っちゃわない?」
いつものメンバーで話すことも自然と夏休みに関係することになってしまう。
みんなどこか浮かれた顔でカバンを手に、ダラダラと靴箱へと向かった。
「高校2年の夏休みが始まるッ…!」
「どうせ予定なんかないくせに…」
「予定なんてな、いくらでも作れるんだよ!!
…ということでっ」
にっこりと笑った田道くんが振り向いた。
「とりあえずみんなで海いかねぇ?」
「……なぜ?」
何が”ということで”なのか分かんないんだけど。
田道くんの中では決定事項らしく、展開についていけていないみんなのことを引きずって、廊下を元気よく歩いていく。