遼くんは泣き顔がお好き。
ぐっと言葉に詰まったあたしに追い討ちをかけるように、
じりじりと近づいて来る宮尾くん。
思わず後ろへ一歩後ずさった時、
背中に大きくて温かい何かがぶつかった。
すかさず首に回った腕に後ろへ引っ張られ、
ぐえ、と変な声が出る。
「なになに、何の話ー?
俺も混ぜてくださいよぉ」
耳元で聞こえた低い声にヒッ、と喉がひきつけを起こしたような音を鳴らした。
前までこんなふうに接近されることなんて日常茶飯事だったのに、
こんなにも動揺してしまうなんて。
やっぱり最近なんかおかしい。
明らかに頬の熱が上がっていくのを感じて反射的にその腕から抜け出すと、逃げようと足を踏み出した。
その瞬間、
あたしの視界は砂でいっぱいになった。
「「あ」」
宮尾くんと遼くんの間抜けな声が聞こえた時にはもう遅かった。
ばしゃん!!!と大きな音をたてて海に倒れたあたし。
ゆっくりと体を起こすと何が起きたか分からない顔で遠巻きにあたしをみつめるみんなと目が合った。
「……転んじゃった」
「…見たらわかる…」