遼くんは泣き顔がお好き。
噂の美澄くんを初めて見かけたその翌日。
朝のホームルームが終わるなり、あたしに飛びついてきたのは今日も髪の毛を綺麗に巻いたユアちゃん。
毛先をくるくるさせてハーフアップに結んでいるせいで、
どこぞのお嬢様みたい。
「ユアちゃん今日の髪型めっちゃ可愛いねー!似合ってる」
「ありがとー、ってそんなこと言ってる場合じゃなくて。
やばいの、ユア昨日あの美澄くんと喋っちゃった!」
そこまで言って、きゃあっと可愛らしい声をあげたユアちゃん。
「後輩に用事があってね、
1年生の教室まで行ったらたまたま美澄くんが教室の入り口に居たのね?
後輩の子たまたま美澄くんと同じ3組だったから、
美澄くんに呼んでもらったの」
「どうだった?生のイケメンくんは」
「もう超かっこよかった。顔だけじゃなくて声までイケメンだった」
たしかに、昨日チラッと見ただけだった横顔ですらあの整い方だったから
正面からみたらそれはもう破壊力がすごいんだろうな。
「なになに、何の話〜?」
「あ、ミカちゃん。
昨日言ってた美澄くん、ユアちゃんが喋ったんだって。
噂の通りのかっこよさだったらしいよ〜」
「…へーー。そうなんだぁ」
…なんか気のせいか、今少しミカちゃんの返事に間があったような。
そう思ってミカちゃんの顔を見たけど、その顔はいつも通りニコニコと笑っていた。
一瞬目が笑ってなかったように見えたけど、気のせいか。