遼くんは泣き顔がお好き。
「やっと思い出した?」
「………え、夢?」
翌朝起きて、一番最初に思ったこと。
なんか遼くんにキスされる夢見たんだけど。
……ついにあたし、遼くんのこと考えすぎて夢にまで見るようになっちゃった?
自分が気持ち悪すぎて震えながらベッドから起き上がる。
ヨロヨロと部屋から出ようとした瞬間、机の上に置いていたスマホが鳴った。
こんな朝早くに電話とか誰よ、とイラつきながら画面も見ずに通話ボタンを押す。
「ふぁい…」
「…れいちゃん?おはよぉ」
「……………え?」
「ふぁい、だって。可愛い」
スマホから聞こえてきた激甘な声の持ち主は、間違いなく遼くんで。
慌てて画面を見ると、”美澄遼”の三文字が表示されている。それを見た瞬間、寝ぼけていた頭がスパンと音を立てて叩かれたような衝撃が走った。
「え?遼くんっ?!どうしたのこんな朝早く…っ」
「朝早くって、もう11時だよ」
「…あぁ、ホントだ…」
どう聞いても寝起きの声で出てしまったことに今更後悔しても遅い。
こんな時間まで寝るだらしない女って思われそう、最悪だ。
「寝ぼけたれいちゃんの声もいいね、録音したい」
なんか今とんでもないことを口にされたような気がするけどツッコミ入れる元気もなくてとりあえずスルーした。