遼くんは泣き顔がお好き。


2時間後。
遼くんに指定された駅に到着すると、タイミングを見計らったようにポケットに入れていたスマホが鳴った。


”改札の前で待ってる”


メッセージを見てすぐに改札に向かうと、柱にもたれかかるようにしてスマホを眺めている遼くんが目に入った。

いつもはサラサラの黒髪は今日はちょっとセットされているらしく、前髪が真ん中で別れていて白いおでこが見える。
長いまつ毛を伏せたその顔は”可愛い”と言う言葉が似合いそうな顔なのに、高い身長と広い肩幅がちゃんと男の子なんだと分からせていた。

なんだか、遼くんの周りに女の子のギャラリーが多いような…。

気のせいかと思ったけど、そのギャラリーのうちの1人の女の子が彼に駆け寄って何か話しかけているのを見た瞬間、気づいた。

……この子達みんな、遼くんのこと見てたんだ。


そう思った瞬間体が勝手に動いていた。




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