遼くんは泣き顔がお好き。
食欲はなかったけどみんなが誘ってくれた手前、
ちびちびとお弁当を口に運ぶ。
あたしが食べている様子を見て、宮尾くんはほっとしたように頬を緩めた。
相当心配かけてしまったらしい。
「てかさー、朝に来てたあのイケメン、誰よ?」
「俺も思った。やたら背高かったけどあれ1年だろ?
なんで久原さんにあんな襲いかかってたわけ?」
襲いかかってたように見えたのか。
たしかに顔も近かったし、れいちゃんなんて名前で呼んでたしそんな風に見えても仕方ないのかもしれない。
「もしや久原さんの年下の彼氏?」
「いやちっげーよ!!んなわけねぇだろ!」
「なんでミヤがそんなムキになって訂正するんだよ、お前部外者だろー?」
「ムキになってねーよ!部外者でもねーし!
昨日、その…色々あってアイツとは顔見知りというか…」
昨日あたしが大泣きしたことを言わないでおこうとしてくれているらしく、
宮尾くんが口ごもる。
律儀に話すことと話さないことを頭の中で選別しているんだろう、宮尾くんは目を白黒させている。
その顔を見ていると思わず頬が緩んだ。
「あ、久原さん笑った!初めて笑った顔見た気がするわ俺」
「え、今までも結構笑ってなかったっけ?あたし」
「んー…なんか今までのは本当に笑ってなかった顔じゃなかったような、嘘くさい笑い方だった気がする!」
全く悪気のない田道くんの言葉に顔が引き攣る。
う、嘘くさい笑い方。
ひどい言われようだけど、確かにそうかもしれない。