遼くんは泣き顔がお好き。
「ありがと!」



「…ない。」

思わず口からこぼれた言葉に反応する人は居ない。
何故ならここ最近のあたしは、ついにクラスの女子ほぼ全員から口をきいてもらえなくなっているからだ。

今つぶやいた言葉は多分隣の席の子には聞こえてたんだろうけど、わかりやすく顔を背けられた。
ここまでガン無視されるともう笑えてくる。

相変わらず宮尾くんたちは声をかけてくれてるけど、
そんな様子を見たミカちゃんたちからの反応は冷ややかで。
あたしに気を遣ってか、宮尾くんたちはミカちゃんたちが居るところでは話しかけてこなくなった。


存在を無視されるだけならまだマシだ。
だけどついに、物を隠されるようになってしまったらしい。

1週間前にお気に入りだったシャーペン、
一昨日はヘアゴム。

そして今日、机の横にかけていたはずの巾着袋がなくなっていた。
あの中には体操服が入ってるから、さすがに隠されると困る。


誰がやったかなんて分からないし、どうしようもないんだけど。

午後1番で体育の授業があるから、それに間に合うように探さないと。
気付かぬうちに、憂鬱なため息をついていた。


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