遼くんは泣き顔がお好き。


「……あっ、ごめん!!!
俺、ごめん!何やってんだろ?!
勝手にベタベタ触って…っ」

「いやいやいや全然?!全然大丈夫!!
ちょ、っとびっくりしたというか、動揺したというか!」

「ほんと、ごめん…なんか勝手に手が伸びてた…
俺のこの手が悪い………」

自分の手首を掴んだまま、うなだれた宮尾くんにどうにかして「気にしてない」と伝えたい。
まだバクバクとうるさい心臓を気にしつつ、
「遼くんなんかさ、あたしに悪いとも思ってないよ?フツーに許可もなく触ることなんて日常茶飯事だし!」
あははー、なんておかしくもないのに笑いながら一息に言った。

その瞬間、宮尾くんの赤かった顔色がさっと変わる。


「何、あいつにもこんな風に触られてんの?」

「こんなふうにって…」

「顔、触ったりとか…」

「ああ、初めて会った時からそうだったじゃん?
あの子人との距離近いっていうかさぁ、
顔も近いし」

「……ずっと思ってたんだけどさ、それ多分久原さんにだけだと思う。
アイツたまに廊下ですれ違ったときとか友達と居るところ見るけど、そんなに人にベタベタしてる感じ無いし」

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