遼くんは泣き顔がお好き。


「久原さん、目覚めた?大丈夫?」

「宮尾くん!ごめん、色々迷惑かけちゃって…」

ひょこっと顔を覗かせたのは宮尾くん。
完全に脱力したあたしの身体はかなり重かっただろう。
申し訳なさで、布団に埋まる勢いで頭を下げた。


「迷惑じゃないよ、俺が勝手にやったことだから。
それより身体はどう?まだしんどい?」

「ちょっとだけよくなった、かな?
まだ熱はあるらし」

不意に伸びてきた大きな手のひらが額をそっと撫でて、不自然に言葉が詰まった。

「宮尾くん…?」

呼びかけても反応はない。
ただ、額に手を当てたままじっとあたしの目を覗き込む。
いつもふわりと笑っているその目は、今は見たこともない静かな目をしていた。


「ど、どうしたの?ごめんね、そんなに心配かけちゃった?」

バクバクとうるさい音を立てる心臓と、なぜか熱くなる頬。
なんだ、これは。

目が泳いで変な顔をしてるだろうに、
宮尾くんはまだあたしの顔をじっと見つめたまま動かない。

そのまま手のひらが下に降りてきて、
すり、と親指で頬を撫でる。


その瞬間、ぼっと音がしそうなくらいに顔中が真っ赤になるのを感じた。





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