遼くんは泣き顔がお好き。
それからまた熱が上がったような気がして、
1時間分眠ってから保健室を出た。
結局今日は早退することになって、カバンを取りに行くために教室に行かないといけないんだけど。
「気まずい…」
なんとなく、宮尾くんと顔を合わせづらい。
なぜかコソコソと廊下を歩いて教室の前にたどり着いた。
「れーいちゃんっ!」
「うわぁ?!!ちょ、静かにっ…!!」
後ろからかけられたでかい声に、心臓が縮み上がる。
振り向くと案の定、ニコニコした遼くんが立っていた。
「なんで今日午前中教室にいなかったのー?
…あれ、なんか顔赤くない?熱あんの?」
「そう、熱があるの。だからでかい声出さないで…頭に響く…」
「えー、じゃあ今日帰っちゃうの?
れいちゃん帰るなら俺も帰る」
「なんでよ、遼くんは別に体調悪くないでしょ?
ちゃんと授業受けなきゃダメじゃん」
口を尖らせている遼くんはほっといて、
教室の入り口から中の様子を伺う。
今はお昼休憩中だから、宮尾くんは多分いないはず。
「何でコソコソしてんの?」
「いやちょっとね…てか遼くん、あたし今日ご飯一緒に食べられないから。自分の教室で食べな?」
「れいちゃん送っていくからご飯パス」
「いや頼んでないし…そんなこと言ってあたしんち上がり込むつもりでしょ」
ええー、そんなことしないよぉー、
とかなんとか言ってたけど目が泳いでるから多分上がり込むつもりだったんだろう。
油断も隙もない。