Lost Song
豪華なスポットライトなんてない。
立派なドームに立っているわけでもない。
自宅の隅にひっそりとある小部屋。そこが私、鈴本音羽(すずもとおとは)が歌手になれる場所だった。ーーー今日でその時間も終わりだけど。
「……もうすぐだね」
私の手が震える。今日で終わってしまう。明日の朝を迎えたら、私はもう歌えなくなる。運命は残酷だ。今でも悔しくて涙が出る。そんな私の手を、彼氏の和島昴(わじますばる)が強く握り締めてくれた。
「俺がそばにいる。今夜だけじゃない。ずっとだ」
私の胸がジワリと温かくなる。怖い。だけど、この温もりがあれば何でもできるような気がしてしまう。恋って怖い。
「ありがとう。じゃあ、始めるね」
「ああ」
私が機材のスイッチを入れると、配信が始まる。コメントがすぐに流れ出した。早すぎて読めない。私は息を吸い、口を開く。
「みんな、こんばんは〜。UTAのラストライブへようこそ!」
立派なドームに立っているわけでもない。
自宅の隅にひっそりとある小部屋。そこが私、鈴本音羽(すずもとおとは)が歌手になれる場所だった。ーーー今日でその時間も終わりだけど。
「……もうすぐだね」
私の手が震える。今日で終わってしまう。明日の朝を迎えたら、私はもう歌えなくなる。運命は残酷だ。今でも悔しくて涙が出る。そんな私の手を、彼氏の和島昴(わじますばる)が強く握り締めてくれた。
「俺がそばにいる。今夜だけじゃない。ずっとだ」
私の胸がジワリと温かくなる。怖い。だけど、この温もりがあれば何でもできるような気がしてしまう。恋って怖い。
「ありがとう。じゃあ、始めるね」
「ああ」
私が機材のスイッチを入れると、配信が始まる。コメントがすぐに流れ出した。早すぎて読めない。私は息を吸い、口を開く。
「みんな、こんばんは〜。UTAのラストライブへようこそ!」
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