この家、全員まともじゃない。②
《 本当の意味で 》

『 愛してる。』

「藍、くん……。」


私が瞬きする暇もなく、お母さんをぶっ飛ばした。


私のヒーロー。


「……琴音っ!」


呆然と立ち尽くしている私を心配して駆け寄って来てくれた。


私は何が起こったのか理解できず、動けなかった。


すると、藍くんは目を伏せた。


「……お前の母親なのに、ごめんな。」


「……え?」


なに、それ……。


謝らなくていいよ……っ。


悪いのは藍くんじゃないっ……!


「……藍くんは悪くないよっ!悪いのはお母さんだもんっ……」


藍くんは驚いたように目を見開いた。


「……琴音、お前……。」


私の顔を見て、なぜか困惑してる藍くん。


不思議に思って頬に触れてみると。


「わ、私……、泣いてる……?」


ぶわっ。


涙が止まらない。


「あ、あれ……?なんでかな……。別に、悲しくないのにねっ……」


「琴音っ……」


私を包み込むように抱きしめてくれた。


温かい体温が、私の体に伝わってくる。


優しくてちょっぴり意地悪な藍くん。


私はそんな藍くんを、愛おしいと思った。


「……好きっ。」


気づけば、そう言っていた。


藍くんは驚かなかった。


そんなの当たり前だというように。


「……ああ、俺も。」


そう言って、私の濡れた涙を、優しく拭ってくれた。




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