ねぇ…好き。
・ねぇ…好き。

【 優奈:side 】


そして…今日はクリスマス・イブ。


あたしは研究室には顔を出さず……。


右手にケーキが2つだけ入った小さな箱を持って、賑やかな街を歩いていた。


通り過ぎていく眩しいくらいの笑顔…いっぱいの人たち。


いつも歩いている同じ道なのに



なんで、こんなにも1人ぼっちだと…寂しいのかなぁ?



今夜、1人で過ごすことをケイにバレたくなくて、強がりで買った…つやつやの苺がのった2つのショートケーキ。


きっと1人で2人分のケーキを食べる方が…もっと悲しくなるのに。


「ケイ…あたし、ウソついちゃった」
< 13 / 21 >

この作品をシェア

pagetop