ねぇ…好き。

そのちっちゃな声は吐く息とともに


夜空に舞い上がって…儚く消えていく。


こんなふうに…いつも伝えたい気持ちは好きな人に届かない。


今頃、誰かと一緒にいるのかなぁ?


「いつも女の子に囲まれているケイが、こんな日に1人でいるわけないよね……」


どちらかと言えば目立たないあたしとは、反対側の“キラキラ”した世界にいる…ケイ。


帰り道、ケイの隣を歩いている…その間だけ。


あたしもそのキラキラの世界に一緒にいられたんだ。



────でも今日は……。



たくさんの光の中を歩いていても…絶対にキラキラして見えない。



「…………ケイ」

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