好きになった人は、みんなのアイドルで

40話 俺だけじゃなかった

ーー悠太郎サイド

「悠太郎って明陵大学だったよね」
ダンスレッスンの後、同じレッスンを受けてたやつに話しかけられる。
「うん、そうだよ」
「じゃあさ、駅行く途中にあるカフェの店員分かる?よく行ってるっしょ?」
「……よく行くけど」
「あのお団子の、可愛い子いるじゃん。明陵大学って言ってて。名前とか知らない?」

(……まさか、つむぎちゃんのこと?)
(いやいや、違うかもしれないし)
(でも……お団子の可愛い子なんかつむぎちゃん一択だろ)

つむぎちゃんだとしたら、教えたくなくてつい誤魔化す。
「いや……結構学部も多いし、分かんないかも」
「まじー?悠太郎なら分かるかと思ったのに」
「ごめん」
「しゃーない、本人に聞くわ。じゃね」
「おー、またね」

(今、本人に聞くって言った?)
(……なんで大学知ってんだよ)
(……結構、話してんのかな)

つむぎちゃん、おつかれ って声をかけると
おつかれさま、悠太郎くん って返してくれる
あの笑顔を思い出す。

(……俺は名前知ってるし)

カフェでつむぎちゃんに会うのを楽しみにしているのは、
俺だけじゃなかったみたいだ。
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