好きになった人は、みんなのアイドルで
53話 LINE
今日は来るかな。パン食べたかな。
感想、教えてくれるかな。
……いや、迷惑だったかも。
手作りとか、ほんとは気持ち悪かった?
カランカラン。ドアが開く。
「いらっしゃいませー!」 悠太郎くんだ!
「つむぎちゃん、パン美味かった。まじで美味かった。ありがと。」
少し早口で話す悠太郎くん。
「……良かった、ちょっと心配だった」
美味しかったんだ……。
「まじで美味かった、ほんと、なんか語彙力無くてごめん」
「ううん、嬉しい。ありがとう」
本当に嬉しい。美味しかったって思ってくれてるの、伝わる。
「アイスカフェラテお願いします」
「かしこまりました」
「お待たせしました、アイスカフェラテです」
いつもどおり、カフェラテを渡す。
「今日バイト終わるの何時?」
……え?なんで、バイト終わる時間なんて。
「……え、18時。」
「待ってる。だから、一緒に駅まで行こ。」
待って、今なんて?
「……うん、ありがと」
今は17時半。シフト終わりまであと30分。
なにこれ。心臓が何個あっても足りないよ。
「ありがと」
悠太郎くんはアイスカフェラテを持って席に向かう。
たった30分。その30分が長かった。
トングを落として 夏帆先輩に笑われる。
「さっき、あの男の子になんか言われてたでしょ」
「な、なんでもないです……!」
18時になる。
「お疲れ様です」更衣室に行く足が小走りになる。
深呼吸をして更衣室を出る。
ホールに出ると、悠太郎くんが帰り支度を済ませてスマホをいじっている。
「お待たせ」
「バイトおつかれ」
「うん、ありがと」
緊張してどこを見たらいいか分からない。
何回か一緒に帰っているのに、
予告されただけでこんな風になっちゃうなんてあんまりだ。
夏帆先輩がレジで親指を立ててにやにやしている。
(夏帆先輩、やめてー!)
外に出ると悠太郎くんが話し出す。
「昨日、パンめっちゃ美味くてさ、美味いって言おうと思って、LINE知らなかったなって思ったんだけど、聞いてもいい?」
(……え?LINE?)
「え、うん、いいよ」 スマホを取り出す。
(待って、本当に私なんかとLINE交換していいんだろうか)
「朝倉 悠太郎」
公園かな?自然な表情の悠太郎くんの写真がアイコン。
(これ、誰に撮ってもらったんだろう……彼女かな)
息がヒュッとなる。
え、彼女。そうだよね、こんなかっこいいんだもん。
実は彼女がいたっておかしくない。
「ありがと、追加した」
悠太郎くんのスマホに表示される私の名前。
「私も」ってスマホを見せる。
……彼女がいたらどうしよう。
推しの幸せなら、祝福できるはずでしょ?
自分に言い聞かせたけど、彼女がいたら嫌だと思った。
感想、教えてくれるかな。
……いや、迷惑だったかも。
手作りとか、ほんとは気持ち悪かった?
カランカラン。ドアが開く。
「いらっしゃいませー!」 悠太郎くんだ!
「つむぎちゃん、パン美味かった。まじで美味かった。ありがと。」
少し早口で話す悠太郎くん。
「……良かった、ちょっと心配だった」
美味しかったんだ……。
「まじで美味かった、ほんと、なんか語彙力無くてごめん」
「ううん、嬉しい。ありがとう」
本当に嬉しい。美味しかったって思ってくれてるの、伝わる。
「アイスカフェラテお願いします」
「かしこまりました」
「お待たせしました、アイスカフェラテです」
いつもどおり、カフェラテを渡す。
「今日バイト終わるの何時?」
……え?なんで、バイト終わる時間なんて。
「……え、18時。」
「待ってる。だから、一緒に駅まで行こ。」
待って、今なんて?
「……うん、ありがと」
今は17時半。シフト終わりまであと30分。
なにこれ。心臓が何個あっても足りないよ。
「ありがと」
悠太郎くんはアイスカフェラテを持って席に向かう。
たった30分。その30分が長かった。
トングを落として 夏帆先輩に笑われる。
「さっき、あの男の子になんか言われてたでしょ」
「な、なんでもないです……!」
18時になる。
「お疲れ様です」更衣室に行く足が小走りになる。
深呼吸をして更衣室を出る。
ホールに出ると、悠太郎くんが帰り支度を済ませてスマホをいじっている。
「お待たせ」
「バイトおつかれ」
「うん、ありがと」
緊張してどこを見たらいいか分からない。
何回か一緒に帰っているのに、
予告されただけでこんな風になっちゃうなんてあんまりだ。
夏帆先輩がレジで親指を立ててにやにやしている。
(夏帆先輩、やめてー!)
外に出ると悠太郎くんが話し出す。
「昨日、パンめっちゃ美味くてさ、美味いって言おうと思って、LINE知らなかったなって思ったんだけど、聞いてもいい?」
(……え?LINE?)
「え、うん、いいよ」 スマホを取り出す。
(待って、本当に私なんかとLINE交換していいんだろうか)
「朝倉 悠太郎」
公園かな?自然な表情の悠太郎くんの写真がアイコン。
(これ、誰に撮ってもらったんだろう……彼女かな)
息がヒュッとなる。
え、彼女。そうだよね、こんなかっこいいんだもん。
実は彼女がいたっておかしくない。
「ありがと、追加した」
悠太郎くんのスマホに表示される私の名前。
「私も」ってスマホを見せる。
……彼女がいたらどうしよう。
推しの幸せなら、祝福できるはずでしょ?
自分に言い聞かせたけど、彼女がいたら嫌だと思った。