死ぬ瞬間、君のことを思った──そして私は生まれ変わった。

転生。

視界が広くなって行く。


ここは、どこ……?


確か、屋上から自殺したはず……。


なるほど、もしかして私……


────転生した?


現実的に有り得ないけど、名前も聞けなかったあのお節介の男子の顔を思い出す。


……イケメンだったな、彼。




今から、私は新しい人生を歩んで行くんだ……。


そう覚悟して起き上がると、見慣れない学校の…………保健室?


その瞬間、激しい頭痛がした。


「……っ!?」


大量の誰かも分からない、記憶が流れ込んでくる。


一ノ瀬 美桜。16歳。ふわふわしてて超天然……などなど。


高一って……二つも年上じゃん……。


恐らく、この身体の持ち主の情報。


ベットから降りて、床に足をつく。


硬い感覚に本当に転生したんだ、と実感する。


保健室の鏡に行ってみると、映ったのは。


「え……?」


ゆるふわロングのミルクティーベージュの髪色を下げていて、ベージュの可愛い萌え袖セーターに、紺色のスカートを履いていた。


頬をぺちぺちと触ってみる。


感触ある……


しかも、これが自分。


「夢……じゃないよね……?」


思わず二度見してしまう、圧倒的な美貌と可憐さ。


未だに信じられなくて、罪悪感を抱きながらも、髪を引っ張ってみる。


「あ、普通に痛い……」


現実ですか……。


私、マジで生まれ変わったんかい。


そうツッコミながらも、私は一つの目標を決めた。





『あの名前も知らないお節介男子に、会う。』





会ったらなんで言えばいいのか分かんないけど、そこはちゃんと会ってから考えよう。


そもそもここに居るかどうか知らない。


でも、居ると思う。なんとなく、勘で。


私はもう一度鏡で顔を見て、心に決めた。
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