クールな機長は契約恋人の副操縦士を離さない
「キャプテン、隼人さんが高月社長のご子息だって知っているんですか?」
「当然だろ。隼人のことは子どもの頃から知っているんだから。樹と隼人が子どもの時、コックピットを見せてやったりしたからな」
今岡キャプテンと隼人さんがそんなに親しいとは思わなかった。
「……お兄様の樹さんのこともご存知なんですね」
「ああ。まだ信じられねーよ。樹がセスナの事故で亡くなるなんて。あいつは腕のいいパイロットだったのに」
今岡キャプテンがしんみりとした表情を浮かべた。
「樹さんもパイロットをしていたんですか?」
「そうだ。経営本部に行く為にパイロットは辞めたがな。だから、樹は隼人が最年少機長になったことを大喜びしていたよ。自分の果たせなかったことを隼人が叶えてくれたってな。だけど、その直後にセスナの事故に遭うなんてな」
大きなため息をつくと、今岡キャプテンが勢いよくビールを飲んだ。やるせない思いを飲み込むようだった。
「なんか湿っぽい話になっちまったな。それより南雲、隼人といつから付き合っていたんだよ」
しんみりした空気を換えるように今岡キャプテンに聞かれる。
「えーと、あの、昨年の四月からです」
「全く気づかなかったな。どういう切っ掛けで隼人と出会ったんだよ」
綾音にも話した定食屋の話をすると、水沢さんに「どこのお店ですか?」と突っ込まれてヒヤッとする。
「あの、六郷土手にあるお店なんですけど、先月閉店しちゃって」
実際によく通っていた定食屋だった。閉店したお店なら、万が一店に調査に来られても店がないから問題ないだろうという理由で隼人さんとそのお店に決めていた。
「高月キャプテンと出会った思い出のお店が閉店になって寂しいですね。どうぞ」
来たばかりのサラダを水沢さんがとりわけてくれた。
「ありがとうございます。そうですね。思い出のお店が閉店になるのは寂しいです」
「南雲、隼人はやめておけ。優秀でいい奴だが、あいつ、いろんな女と付き合っていたぞ。南雲も簡単に捨てられるぞ」
今岡キャプテンが渋い顔で私を見る。
綾音が学生の頃から隼人さんは女性にモテると言っていたけど、女性関係が派手だとは思わなかった。
でも、なんで私を雇ったのだろう? そんなにモテるのなら、寄って来た女性に恋人役を頼めば良かったのに。
「……こんなことは言いたくないのですが、南雲さんという恋人がいながら、広報の白鳥さんともお付き合いをされているようです」
水沢さんが心配そうに私を見る。
「当然だろ。隼人のことは子どもの頃から知っているんだから。樹と隼人が子どもの時、コックピットを見せてやったりしたからな」
今岡キャプテンと隼人さんがそんなに親しいとは思わなかった。
「……お兄様の樹さんのこともご存知なんですね」
「ああ。まだ信じられねーよ。樹がセスナの事故で亡くなるなんて。あいつは腕のいいパイロットだったのに」
今岡キャプテンがしんみりとした表情を浮かべた。
「樹さんもパイロットをしていたんですか?」
「そうだ。経営本部に行く為にパイロットは辞めたがな。だから、樹は隼人が最年少機長になったことを大喜びしていたよ。自分の果たせなかったことを隼人が叶えてくれたってな。だけど、その直後にセスナの事故に遭うなんてな」
大きなため息をつくと、今岡キャプテンが勢いよくビールを飲んだ。やるせない思いを飲み込むようだった。
「なんか湿っぽい話になっちまったな。それより南雲、隼人といつから付き合っていたんだよ」
しんみりした空気を換えるように今岡キャプテンに聞かれる。
「えーと、あの、昨年の四月からです」
「全く気づかなかったな。どういう切っ掛けで隼人と出会ったんだよ」
綾音にも話した定食屋の話をすると、水沢さんに「どこのお店ですか?」と突っ込まれてヒヤッとする。
「あの、六郷土手にあるお店なんですけど、先月閉店しちゃって」
実際によく通っていた定食屋だった。閉店したお店なら、万が一店に調査に来られても店がないから問題ないだろうという理由で隼人さんとそのお店に決めていた。
「高月キャプテンと出会った思い出のお店が閉店になって寂しいですね。どうぞ」
来たばかりのサラダを水沢さんがとりわけてくれた。
「ありがとうございます。そうですね。思い出のお店が閉店になるのは寂しいです」
「南雲、隼人はやめておけ。優秀でいい奴だが、あいつ、いろんな女と付き合っていたぞ。南雲も簡単に捨てられるぞ」
今岡キャプテンが渋い顔で私を見る。
綾音が学生の頃から隼人さんは女性にモテると言っていたけど、女性関係が派手だとは思わなかった。
でも、なんで私を雇ったのだろう? そんなにモテるのなら、寄って来た女性に恋人役を頼めば良かったのに。
「……こんなことは言いたくないのですが、南雲さんという恋人がいながら、広報の白鳥さんともお付き合いをされているようです」
水沢さんが心配そうに私を見る。