疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン
王女の誘拐事件
疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない
ズベットとドラゴン ・魔法の恋の行方シリーズ
<王女の誘拐>
夏が終わりかけているのに、馬車の中はまだ熱気がこもっている。
そのせいもあり、リズは揺れ続ける馬車の中で、吐き気と闘っていた。
日が落ちかけているのに、目的の修道院は、まだ道半ば。
うっそうとした雑木林の小道に入り、川のせせらぎが聞こえてくると、年老いた御者がやっと馬車を止めた。
暑い中、無理をさせて走らせた馬を、さすがに休めなければならないのだろう。
御者の若い助手が降りて来て、馬車のドアを大きくノックした。
リズは大きく息を吐いた。
やっと、暑さと揺れから解放される。
「若奥様、次の村で宿をとりましょう。
日暮れになると、この辺は、強盗が出ると有名な場所ですので」
助手は傷だらけの手を差し出し、リズに降りるように促した。
「わかりました。まだ、遠いですものね。」
リズはハンカチで口を押えて、少しよろめきながら馬車から降りた。
腰も背中も強張り、痛みが出ていた。
ズベットとドラゴン ・魔法の恋の行方シリーズ
<王女の誘拐>
夏が終わりかけているのに、馬車の中はまだ熱気がこもっている。
そのせいもあり、リズは揺れ続ける馬車の中で、吐き気と闘っていた。
日が落ちかけているのに、目的の修道院は、まだ道半ば。
うっそうとした雑木林の小道に入り、川のせせらぎが聞こえてくると、年老いた御者がやっと馬車を止めた。
暑い中、無理をさせて走らせた馬を、さすがに休めなければならないのだろう。
御者の若い助手が降りて来て、馬車のドアを大きくノックした。
リズは大きく息を吐いた。
やっと、暑さと揺れから解放される。
「若奥様、次の村で宿をとりましょう。
日暮れになると、この辺は、強盗が出ると有名な場所ですので」
助手は傷だらけの手を差し出し、リズに降りるように促した。
「わかりました。まだ、遠いですものね。」
リズはハンカチで口を押えて、少しよろめきながら馬車から降りた。
腰も背中も強張り、痛みが出ていた。
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