疎まれた王女はドラゴンに愛を語らない・魔法の恋の行方・リズとドラゴン
ドラゴンはからかいぎみに、リズの顔を覗き込んだ。

リズは額にしわを寄せ、アメジストの瞳が揺れている。

何か言い返したいのだろうが、言葉が見つからず困っているのだろう。

「極上のブランデーを飲みましょう」

ようやく出たその言葉に、ドラゴンは苦笑してうなずいた。

「そうだな。それもいい提案だ」

リズの片手は何かを確認するように、胸のペンダントに触れた。

中央の輝く魔法石は、少し熱をもって、運命の行方を、暗示しているようだった。

あの時の・・・激しい炎のようなキス。

ドラゴン当然のように、リズの手を握った。

「さぁ、館に帰ろう。熱いお茶が飲みたいな」

リズもその提案に文句はなかったし、手を振り払う事もしなかった。

「春に、この庭を花であふれるようにしたいのですが、ご主人様も、庭仕事を手伝ってくださいませ」

ドラゴンは同意するように、リズの手を強く握った。

冬のひと時、暖かい日差しが降り注ぎ、春の訪れを期待させる。

それは、この館にも穏やかな季節が来ることを、告げていた。

<補足事項>

現在、ここは「ドラゴンの館があった場所」とあり、人の入ることを拒む禁忌の場として伝えられている。

また、パワースポットとして、方位磁石が狂う場所としても有名だが、地質調査の結果、金属鉱脈の影響とされる。

おわり
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