極道シングルファザーの甘く危険な独占愛
 その後、書斎へ戻った昴は椅子に座るや否や、深い溜め息を吐いた。

「……やっちまった……最低だな、俺は……」

 羽衣子に謝らないでと言われはしたものの、理性を失くして自身を止められなかったことを悔いている昴。

 すっかり冷めたコーヒーを飲みながら頭を冷やす。

 避妊をしても百パーセント安全では無いが、しないのは論外な訳で、羽衣子に不安を与えてしまったことを終始気にしていた。

 勿論、万が一があった場合、昴は責任を取る覚悟ではあるものの、もう二度とあのようなことはしないと心に誓う。

 一方一人になった羽衣子はというと、

「…………」

 布団を掛けてベッドに横になったまま、未だ動けずにいた。

(……昴さんと、しちゃった……)

 初めてで何も分からず、不安と恐怖でいっぱいだったけれど、昴の優しさに触れられたことで安心出来、今は大好きな人と繋がることが出来たという幸福感でいっぱいだった。

(……避妊のことも、本当に申し訳なさそうな顔をしてた……)

 避妊具が無いと言われた時、羽衣子は一瞬不安を覚えはしたけれど、相手が誠実な昴だから大丈夫だと思えて不思議と不安は消えていた。

(……こんなこと、本人には言えないけど……昴さんとなら……私……)

 そこまで頭に浮かんだ羽衣子はそれを打ち消すように首を振ると、

(馬鹿! 何考えてるの? 昴さんはそんなこと思わないに決まってる……こんなこと考えるなんて、私って無責任過ぎる……)

 自身の責任感の無さに失望する。

 今はまだ恋人になれたばかり。

 余計なことは考えてはいけないと頭に浮かびかけたことは全てしまいこんだ。

(……今度、一泊しようって、嬉しいな……だけどそれって、またするってこと、だよね?)

 そして昴が去り際に言っていた一泊について考え始めると、様々な思いが浮かんでくる。

(……一回じゃ、終わらなかったり……?)

 これも友人から聞いた話ではあるが、一晩で何度か求められて身体が辛かったという話を耳にしたことがあった羽衣子は次は一度では済まないのだろうか、二度目もまだ恐怖心はあるのか、まだまだ知らないことだらけの羽衣子の胸中はどこか複雑で、色々考えているうちにいつの間にか眠ってしまうのだった。
< 128 / 200 >

この作品をシェア

pagetop