極道シングルファザーの甘く危険な独占愛
 それから暫くして、

「あ、おはようございます。よく眠れたみたいですね」

 三人揃ってリビングへ降りて来ると、どこか意味深な笑みを浮かべつつもそれを悟られないようテレビに視線を移す乙哉と、キッチンで作業をしていた皐月に迎えられた。

「おなかすいたー!」

 すっかり目を覚ました希海は、「お腹が空いた」と皐月にご飯をせがむ。

「今準備するので待っててくださいね」
「ああ、悪いな、頼む」
「私もお手伝い――」
「いいですよ、吾妻さんも皆さんと座っていてください」
「ういちゃん、すわろー!」

 皐月が手際良く準備を始める中、昴や希海と共に席に着いた羽衣子。

 先に用意された飲み物を飲みながら、

「今日はどこか出掛けるか」

 昴がそう提案すると、

「おでかけ! どこ? ゆーえんち?」

 希海は瞳を輝かせながらどこにいくのかを尋ねていく。

「遊園地はもう少し時間のある時にしよう。今日は天気も良いし、少し遠くの自然公園にでも行くか」
「こーえん! むしとる!」
「そうだな、希海は虫取りしたいって言ってたよな」
「うん!」
「そういう訳で乙哉、お前も同行決定な?」
「え!?」

 どうやらニヤニヤしていたのが昴にはバレていたようで、強制的に同行させられることになった乙哉は慌てていた。

「希海の虫取りに付き合ってやってくれ。頼むぞ」
「……りょーかい……」

 乙哉は虫があまり得意では無いらしく、渋々と言った感じで納得する。

 そんな昴たちのやり取りを間近で見ていた羽衣子はクスリと笑いながら今日の休日も楽しくなりそうだとワクワクしていた。

 少し遅めの昼食を済ませた羽衣子たちは皐月が用意してくれたマフィンを持って隣町にある自然公園へ向かうことに。

 乙哉が運転席に座り助手席に昴、後部座席に羽衣子と希海が座っている。

「これがちょうちょで、これがかぶとむし!」

 希海は虫の図鑑を見ながら羽衣子に一つ一つ指差しながら虫の名前を口にしていく。

「うん、そうだね。希海くんは沢山知ってて凄いねぇ」
「うん! ぼくむしすき!」
「じゃあ今日は虫沢山取れるといいね」
「うん!」

 希海のお陰で車内は終始賑やかで、後部座席の二人のやり取りを聞きながら昴は時折笑みを浮かべていて、乙哉はそれを見つつも前を向いたまま運転を続けていく。
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