極道シングルファザーの甘く危険な独占愛
「くっ……」

 羽衣子を人質にとられている以上動くことは出来ず、歯痒さを感じながらも睨み合いを続けていく。

「ひっく…………ッ」

 昴が見ている前でキスをされ続けたことと刃を向けられている恐怖心から泣くことしか出来ない羽衣子は嗚咽を漏らす。

「おい想汰、いつまで寝てるつもりだ? さっさと起きて京極を取り抑えろ」

 飛ばされて倒れている想汰へ指示を飛ばす高遠。

 想汰は痛みに顔を歪ませつつも身体を起こすと、

「クソッ!」

 そう悪態をつきながら昴へ向かって行き、羽衣子を危険に晒せず動けない昴に一発食らわせる。

「……ッ」
「そのまま拘束してその辺に転がしとけ」
「はい」

 そして、言われた通り昴を後ろ手に拘束してその場へ突き倒すと、

「さてと、京極が見てる前でヤるとするか。おい想汰、妹の腕を抑えとけ」
「は、はい」

 ナイフを閉まった高遠は再び羽衣子へ向き直ると、両腕を掴みながら想汰へ抑えるよう指示を出す。

「嫌……、やめて……っ」
「おい! いい加減にしろよ!!」

 逃げられない羽衣子は弱々しく止めてと懇願する中、拘束されて動けない昴が怒鳴り声を上げる。

 想汰は言われるがままに羽衣子の腕を掴み上げて彼女を見下ろすと、

「お兄ちゃん……お願いっ、助けて……っ!」

 涙を流しながら助けを乞う妹の姿に一瞬だけ戸惑いを見せた。

「想汰、きちんと抑えとけって! おら、いい加減大人しくしろ! 殴られてぇのか!?」
「……っ!」

 あまりにも騒ぐ羽衣子に苛立ちを覚えた高遠が怒鳴り声を上げると、羽衣子はそれ以上何も言えなくなって抵抗することを止めてしまう。

「そうだ、大人しくしてりゃ痛くしねぇから、な?」
「……ッ」

 そして、高遠が羽衣子の身体に触れ始めた、次の瞬間――

「――ッう……」

 顔を歪めて呻き声を漏らした高遠は動きを止め、

「……テメェ、……やりやがったな……」

 そう口にしながら後ろを振り向くと、小型のナイフを手にした昴を睨みつけながら肩付近を抑えていく。

「羽衣子に汚ねぇ手で触れた罰だ。テメェこそそこで寝てろ!」

 そして昴が高遠へ蹴りを入れると、そのまま床へ吹き飛ばされていき、昴を助けに現れた乙哉によって拘束される。

「高遠さん!!」

 羽衣子の腕を離して高遠を助けようとする想汰に昴は、

「動くな。お前だけは、許さねぇ」

 ナイフとは逆の手に持っていた拳銃の銃口を向けながら怒りを露わにした。
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