極道シングルファザーの甘く危険な独占愛
 カーテンの隙間から覗く陽の光に照らされた昴はゆっくりと目を覚ました。

 ぼんやりとした頭で天井を見上げたあと、隣へ視線を向ける。

 そこには希海と羽衣子が寄り添うように眠っていた。

「……いつの間に眠っちまったんだ……?」

 昴は小さく呟きながら昨夜のことを思い返す。

 色々とあって気が昂っていた為、とても眠れるような状態ではないと思っていた。

 だから希海と羽衣子が眠りについたら自分はベッドを抜け出してリビングへ行くつもりだったのだ。

 それなのに気付けば朝になっている。

「……羽衣子の読み聞かせか……」

 眠ってしまった原因を考えれば一つしか思い浮かばなかった。

 昨夜羽衣子が希海に絵本を読み聞かせていた時の穏やかな声。

「……あの声には、どうにも眠気を誘われる……」

 思い返しながら昴は苦笑する。

 二人を起こさないよう昴はゆっくりとベッドから抜け出すと、眠っている希海と羽衣子に布団をかけ直し、足音を立てないよう静かに寝室を後にした。

 リビングへ向かうと、既に起きていた皐月と乙哉が昴を迎えた。

「おはようございます」
「よく眠れましたか?」
「ああ、まあな」

 短く答えると皐月がキッチンへ向かう。

「今、コーヒー淹れますね」
「ああ、頼む」

 昴はソファーに腰を下ろし、何気なくついていたテレビへ視線を向けた。

 ちょうど画面ではテーマパークの特集が放送されているところで、楽しそうなアトラクションや園内の様子を眺めていた昴はふと何かを思いついたように口を開いた。

「皐月、乙哉」
「はい?」
「なんですか?」
「希海と羽衣子が起きたら、ここへ行く」

 そう言って昴はテレビ画面を指差す。

「お前らも来てくれ」

 突然の提案に皐月と乙哉は顔を見合わせながら、

「もちろん、いいですよ」

 二人がそう答えると昴は満足そうに頷いた。
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