極道シングルファザーの甘く危険な独占愛
 それから暫くして、羽衣子と希海が目を覚ましてリビングへやって来る。

「パパ、おとくん、さっくん、おはよ!!」

 元気いっぱいに挨拶する希海に三人は笑顔を向ける。

「おはようございます。すみません、だいぶ眠ってしまって」

 その後ろから羽衣子が申し訳なさそうに頭を下げると昴は気にした様子もなく首を横に振った。

「よく眠れたなら良かった」
「今、朝ご飯の用意しますね」

 そう言って皐月がキッチンへ向かおうとすると羽衣子がすかさず声を掛ける。

「あ、手伝います」
「羽衣子ちゃんはいいから座ってなって」
「でも……」
「広瀬さんの言うとおりですよ、座っててください」
「すみません」

 羽衣子は申し訳なさそうにダイニングテーブルに着くと、その隣に座った希海に乙哉が声を掛けた。

「希海、飯食ったら遊園地行くってよ」
「え!?」

 その言葉に希海の瞳が一瞬で大きくなる。

「ゆーえんち!? パパ、ほんと!?」
「ああ」
「テレビで特集組まれててな。それを観た昴さんが行こうって言ってくれたんだよ」

 乙哉が説明すると希海は嬉しそうに昴を見上げた。

「希海が良い子にしてたからな」
「やったぁ!」

 飛び跳ねそうな勢いで喜ぶ希海に昴も嬉しそうに笑みを浮かべていた。

「ただ、俺はまだ怪我が治ってねぇから、あんまり一緒に乗り物には乗れねぇんだ、悪いな。乙哉や皐月も行くからアイツらと沢山乗るといい」
「パパといっしょがよかった……」

 その言葉に羽衣子が優しく声を掛けた。

「希海くん、乗り物によってはパパも一緒に乗れるから大丈夫だよ」
「ほんと?」
「うん。みんな一緒に乗れるものもたくさんあるから、今日はみんなで楽しもうね」
「うん!」

 羽衣子の言葉に再び笑顔になった希海を見て、昴や乙哉もホッとしていた。

 それから朝食を済ませ、全員が出かける準備を整える。

 今日は五人での移動になる為、普段使っているセダンタイプの車ではなく三列シートのワンボックスタイプの車を使うことに。

 すると希海は早々に一番後ろのシートを指差した。

「ぼく、いちばんうしろがいい!」
「じゃあ、俺と一緒に後ろ座るか」
「うん!」

 一番後ろの席にチャイルドシートを設置して乙哉と隣に座る希海。

 真ん中のシートには昴と羽衣子が座り、運転席には皐月が着き、一行は目的地に向けて家を出発した。
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