極道シングルファザーの甘く危険な独占愛
 息も絶え絶えになった羽衣子を昴は壊れ物を扱うようにそっと抱き寄せた。

 先程までの自分の行動を思い返すと少々やり過ぎたという自覚はあり、申し訳なさを滲ませながら羽衣子の身体を労わるように背中や頭を優しく撫でる。

「……っ、……すばる、さん、……もう……っ」

 抱き竦められたことで羽衣子の身体が小さく震えると、その様子に昴はますます腕の力を緩めた。

「悪かった……少々、やり過ぎた」

 羽衣子の耳元に落とされた声は普段よりもずっと甘く優しさが滲み出ている。

「…………謝らないで」

 恥ずかしそうに伏せられた瞳が、ゆっくりと昴を見上げた。

「その……ここまでされるとは思わなくて……ちょっと、びっくりしちゃいましたけど……昴さんのことを、嫌いになったりはしないですし……昴さんだから……許せちゃいます……」

 その言葉を聞いた瞬間、昴の胸に愛おしさが込み上げ、彼は何も言わずただ羽衣子をもう一度強く抱き締める。

「お前は、本当に良い女だよ」

 そう耳元で囁かれた声には隠しきれないほどの愛情が滲んでいた。

「愛してる羽衣子――」
「――っん……」

 言葉の続きを塞ぐように昴は羽衣子の唇へ優しく口付けた。

 触れては離れ、また触れる。

 啄むような口付けが何度も繰り返されるたびに羽衣子の身体は力を失い昴に身を預ける。

 そんな中、流石に疲れが限界に達したのだろう。

 唇を解放されると羽衣子の瞼はゆっくりと下がり始めていき、昴の胸元に身を寄せたまま眠りの世界へ堕ちていった。

 そんな羽衣子の様子に微笑みを浮かべた昴は額へそっと唇を寄せた。

「おやすみ、羽衣子」

 そして昴は腕の中で穏やかな寝顔を見せる羽衣子を暫く見つめた後、安心したように瞳を閉じていくのだった。
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