極道シングルファザーの甘く危険な独占愛
普段はどんな時でも冷静で感情を大きく乱すことなど滅多にない昴が、今は呼吸を乱しながら強い力で羽衣子を抱き締めている。
その腕に込められた力から、どれだけ必死に探していたのか、どれだけ不安だったのかが嫌という程に伝わり、胸の奥がじわりと熱くなった羽衣子はそっと彼の服を掴んだ。
「……京極、さん」
「――っ」
その声に昴はハッとしたように身体を強張らせ、数秒遅れて我に返ったようにゆっくり腕を離すと気まずそうに視線を伏せる。
「……申し訳ありません。少し取り乱しました」
その言葉に羽衣子は小さく首を横に振る。
「いえ、私の方こそ、ごめんなさい……その、心配をかけてしまって……」
「……貴方が無事なら、それでいいんです」
その時だった。
「若頭、吾妻さん!」
慌てた足音と共に無事に希海を確保出来た皐月と人混みに揉まれて羽衣子とはぐれてしまった辰樹が駆け寄ってくる。
そして昴の前に立つや否や、皐月と辰樹はすぐさま深く頭を下げた。
「申し訳ありませんでした!」
「任されていたにも関わらず、吾妻さんとはぐれてしまい、本当に申し訳ございません!」
そんな二人の謝罪に羽衣子は慌てて間へ入る。
「京極さん! お二人は悪くないです! 元はと言えば私が希海くんの手を離してしまったことが一番の原因で――」
「吾妻さん」
「……っ」
静かな声に遮られ、羽衣子は言葉を止めた。
昴は皐月と辰樹へ視線を向けた後で小さく息を吐き、
「……今回は……二人が無事だったから、それでいい」
「若頭……」
「但し、同じ過ちは二度と犯すな。分かってるな?」
『はい!』
「この騒ぎでショーは中止のようだから、今日はもう帰るぞ」
その言葉に張り詰めていた空気がようやく少し緩む。
昴は改めて羽衣子へ視線を向けると、今度は先程よりも穏やかな声で口を開いた。
「行きましょう」
「……はい」
屋上では安全が確認されたというアナウンスが流れ始めたことで客たちも落ち着きを取り戻し、人の流れも穏やかになったところで五人は屋上を後にし、駐車場へ向かうエレベーターの中で昴は、
「皐月と辰樹は希海を連れて先に帰ってくれ。吾妻さんは話がありますから、私と一緒に来てください」
皐月と辰樹に疲れてウトウトしている希海を任せると、羽衣子だけを連れて自身が乗って来た車へ向かって行った。
その腕に込められた力から、どれだけ必死に探していたのか、どれだけ不安だったのかが嫌という程に伝わり、胸の奥がじわりと熱くなった羽衣子はそっと彼の服を掴んだ。
「……京極、さん」
「――っ」
その声に昴はハッとしたように身体を強張らせ、数秒遅れて我に返ったようにゆっくり腕を離すと気まずそうに視線を伏せる。
「……申し訳ありません。少し取り乱しました」
その言葉に羽衣子は小さく首を横に振る。
「いえ、私の方こそ、ごめんなさい……その、心配をかけてしまって……」
「……貴方が無事なら、それでいいんです」
その時だった。
「若頭、吾妻さん!」
慌てた足音と共に無事に希海を確保出来た皐月と人混みに揉まれて羽衣子とはぐれてしまった辰樹が駆け寄ってくる。
そして昴の前に立つや否や、皐月と辰樹はすぐさま深く頭を下げた。
「申し訳ありませんでした!」
「任されていたにも関わらず、吾妻さんとはぐれてしまい、本当に申し訳ございません!」
そんな二人の謝罪に羽衣子は慌てて間へ入る。
「京極さん! お二人は悪くないです! 元はと言えば私が希海くんの手を離してしまったことが一番の原因で――」
「吾妻さん」
「……っ」
静かな声に遮られ、羽衣子は言葉を止めた。
昴は皐月と辰樹へ視線を向けた後で小さく息を吐き、
「……今回は……二人が無事だったから、それでいい」
「若頭……」
「但し、同じ過ちは二度と犯すな。分かってるな?」
『はい!』
「この騒ぎでショーは中止のようだから、今日はもう帰るぞ」
その言葉に張り詰めていた空気がようやく少し緩む。
昴は改めて羽衣子へ視線を向けると、今度は先程よりも穏やかな声で口を開いた。
「行きましょう」
「……はい」
屋上では安全が確認されたというアナウンスが流れ始めたことで客たちも落ち着きを取り戻し、人の流れも穏やかになったところで五人は屋上を後にし、駐車場へ向かうエレベーターの中で昴は、
「皐月と辰樹は希海を連れて先に帰ってくれ。吾妻さんは話がありますから、私と一緒に来てください」
皐月と辰樹に疲れてウトウトしている希海を任せると、羽衣子だけを連れて自身が乗って来た車へ向かって行った。