極道シングルファザーの甘く危険な独占愛
「高遠という人は……京極さんをすごく目の敵にしてるみたいで……だから、一緒にいる私や希海くんを利用出来るって考えているみたいで……」

 最後の方は掠れた声になる。

「それを聞いて……今日の騒ぎも……私たちのせいなんじゃないかって……」

 そこまで言った時、車がゆっくりと速度が落ちていき、昴は通りがかった自然公園の駐車場へ入り静かに車を停めた。

 そしてエンジンを掛けたままハンドルに添えていた手をゆっくり離すと、真っ直ぐ前を見据えたまま口を開いた。

「……そうですね、まず、今日のことについて、結論から言えば、あの騒ぎを起こしたのは稲見組……というより高遠率いる一部の人間の仕業です」
「……!」
「あちらの動向を探らせていた者からの報告を受け、騒ぎが起こる前に向かったので何とかあの場は間に合いましたが……やはり、判断が甘かった……。高遠は我々が考えているよりも遥かに勢力をつけていて……高遠の意見に賛同する者も多くいる。その結果、捨て駒となる要員も多いから厄介だ……」
「…………」
「それに、貴方や希海は、私にとって弱点になり得る存在だと相手は勿論理解している」
「…………っ」
「だから敵はそこを突いた。貴方や希海を安全な場所へ囲い込めば今日のようなことにはならないが、そういう訳にはいかない。出来れば、普通の生活を送ってもらいたいから」

 そう話す昴の横顔はどこか苦しげだった。

 極道の世界に身を置いている以上、危険は避けられない。

 それは前回の襲撃の一件で羽衣子も身をもって体験し、理解している。

 それがあったからこそ、昴は皐月たちを護衛に付かせ、最大限危険から守る体制を整えていた。

 それでも、やはり危険は避けられない。

 羽衣子たちを一番に考えて行動している昴だからこそ、今回の件で自分の甘さに気づいてしまう。
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